昨年来、GREE、DeNA、CAあたりを筆頭に「支度金」や「インターン」をキャッチに展開されているバブルについて、日本ネット経済新聞(2011/07/14号)の1面コラム「意心電心」を引用しながら考察してみる。
あるEC企業の経営者は、優秀な開発者の採用に「私の給料を減らして月給100万円超を用意した」と打ち明ける。給与の高い企業に優秀なエンジニアが集まり、低い企業には集まりにくい状況が形成されつつある。
人材市場も“市場”である以上、需要が供給を上回れば価格が高騰するのは必然で、経営トップよりギャラの高い使用人がいることにも問題はない。
ただし、マネジメント・サイドが注意しないといけないのは、高いギャラの使用人を雇用することが、ミッションとビジョンおよび事業計画の達成に向けた必要条件を満たしているかどうかを判断することであり、そこで“目的と手段”を履き違えてしまう人が少なくないところが懸念点の一つ。
もう一つの懸念点は、そうやって青田買いしている企業の姿勢と共に、青田買いに付き合ってしまった個人双方のブランド崩壊についてです。
▼大手ゲーム提供会社は、相次いで開発分野の人材獲得を強化。開発部門トップの年収は3000万円前後まで高騰していると、ネット企業の経営者が明かしてくれた。
▼昨夏、ディー・エヌ・エーはエンジニアの中途採用に際し、入社準備金として200万円を支給することを明らかにした。ライバルのグリーも、同様の金額と制度を導入して対抗した。
「ニコニコ動画」などのドワンゴも入社一時金として126万円を支給している。
素晴らしいフラッシュ・リクルーティングですね……
当社のような零細企業は常に“即戦力のWebエンジニア”からの応募を受け付けているわけですが、残念ながら前記のようなフラッシュ・リクルーティングを仕掛ける予定は今のところありません。
なのに先日、まさしく前記のような懸念に該当する人材からの応募がありました。
昨年末、前述のネット企業に転職し、半年もたずに退職された20代男性ですが、採用募集ページで公開している最低限の要件を満たされていなかったので縁談不成立に終わりました。
★ということは、我々の要件に満たなかった人材を前述の企業が採用していたということです。
★加えてその人材は、当社の最低限の人材要件を見ることもなく、求職活動に時間を割いているんですね。
これって、採る方も採られる方も、見事にブランド崩壊してるってことじゃありませんか?
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